ケロルーシカの世界

日々のつぶやき

アドリアン・ルロワ(Adrian le Roy)の歌詞 (概要)

16世紀に出版されたルロワの曲集には歌付きのものもあり、リュートやいわゆるルネサンスギター(guiterre)のものが有名だ。

 

例えば、ルネサンスギター用の曲集の第2巻はタイトルが、

SECOND LIVRE DE GVITERRE, CONTENANT PLVSIERS CHANSONS EN forme de voix de ville : nouuellement remises en tabulature, par Adrian le Roy.

であるが、訳するなら(諸事情で訳になっていないところもあるが…)

『A. ルロワによる、タブラチュアに新しく置きなおされた、いくつかのchansonをvoix de villeの形式で収録している、ギテールの第2の本』(日本語できれいな語順にすると本当に逆さまになってしまう…)

という感じだろうか。

 

要するに、2巻ではルロワが流行りの歌をルネサンスギター(guiterre)で演奏したり伴奏したり出来るように編曲してタブラチュアにしたということだ。ちなみに2巻はパリで1555年に出版されている。

 

出版が16世紀なので、歌部分の記譜も五線譜ではあるがモダンのものとはかなり違う。知識がないとルロワの五線譜は読めないだろう。歌詞の部分も、もちろん現代フランス語とは使われる言葉や正書法が微妙に違う。タブ譜や楽譜は専門家に任せるとして、私は歌詞の方を研究しようと思う。

 

本の中では、スペースの問題で略記されていたり、謎の「e」活字があったり、アルファベットの使い方が違ったりする( jの不在、vとuの入れ替わりetc. )ので、まずは文字を読み取るところから始めて、テクストを清書しながら、いろいろ考えていきたいと思う。

 

(つづく)